円筒の形で表面に凹凸があるフォームローラーは、自宅で手軽に筋膜リリースを行えるフィットネス用品です。
今回はフォームローラーの使い方や効果、選び方からおすすめのフォームローラーまでご紹介していきます。

大山陸生 大山陸生のプロフィール詳細
鍼灸師として働きながらパーソナルトレーナーとしても活動。プロのラグビーチーム、バスケットボールチームのトレーナー実績も持つ。
身体の不調からボディメイクまで幅広く対応できるパーソナルトレーナー
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フォームローラーとは
フォームローラーとは、筋肉の緊張を和らげるためのエクササイズツールで、自分自身の体重を利用して「筋膜リリース」するために使用されます。一般的には、筒状の形状で突起のある表面をしており、特定の筋肉をマッサージしてほぐすのに適しています。
フォームローラーとストレッチポールの違い
フォームローラーは表面に凹凸があり、筋肉に刺激を与えながらほぐしていきます。運動などで生じた筋肉の疲労やコリを通常に戻したい場合に用います。
一方でストレッチポールは、表面が滑らかな作りになっており、自然に筋肉をほぐしていきます。日常生活で固まった筋肉をほぐしたい場合や姿勢を整えたい場合などに用います。
フォームローラーの効果
フォームローラーで筋膜リリースを行うことで、柔軟性の向上や血流が良くなりリカバリー促進に繋がります。
筋膜リリース
フォームローラーを使用すると、筋膜の癒着や筋肉の疲労、コリを解消することができます。これは「筋膜リリース」、つまり筋肉のリカバリーに役立ちます。トレーニングで酷使した筋肉を筋膜リリースによって筋膜との癒着を取ることで、再度動かしやすい体に戻ります。
血行促進
「筋膜リリース」を行うことで血液の流れがよくなります。これにより、筋肉の回復が促進され、筋肉痛なども軽減されます。また血行が良くなることで、肩こりや腰痛などが軽減され健康状態も向上にも繋がります。
フォームローラーの基本的な使い方
フォームローラーは、筋肉の緊張を和らげ、血流を改善し、筋肉の柔軟性を高めるためのエクササイズツールです。しかし、正しい使い方をしないと効果が半減してしまいます。
フォームローラーには体の一部を乗せる
筋肉の凝りや張りを感じる部分をフォームローラーに乗せ、自分の体重をかけながら使いましょう。その際、あまり強く体重をかけすぎないようにしましょう。
フォームローラーはゆっくり15~30秒程度転がす
フォームローラーはゆっくりとした動きで転がしましょう。筋肉に働きかけるためには、一箇所に対して15〜30秒程度の時間をかけて転がすことが推奨されています。
ストレッチを行う
フォームローラー使用後はストレッチを行いましょう。フォームローラーにより「筋膜リリース」された状態でストレッチをすることにより、深層の筋肉を伸ばすことができ、可動域をさらに高められます。
部位別の使い方
フォームローラーは、体の各部位に対して効果的に使うことができます。
下半身の使い方
下半身をほぐす際は、太ももの裏側やふくらはぎにフォームローラーを当て、ゆっくりと転がします。特に、長時間座っていると硬くなりがちなハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)は、しっかりとほぐすことが重要です。
脚やせのための使い方
脚やせのためには、おしりや太もも・ふくらはぎをしっかりとほぐすことが必要です。ふくらはぎからお尻に向かう順番でほぐしていきましょう。
おしりをほぐす使い方
横向きのフォームローラーに片方のおしりを乗せます。この際、両手は床につきおしりを乗せていない脚は伸ばした状態で、ゆっくりとフォームローラーを転がします。お尻の横側をほぐす場合は、横向きになり、骨の出っぱり部分の下あたりにフォームローラーを乗せ転がします。
太ももをほぐす使い方
太ももの前、後ろ、横のほぐしたい部位を横向きのフォームローラーに乗せます。手は床につき、しっかりとバランスをとりながらゆっくりフォームローラーを転がします。
内側は少し難しいですが、肘をついた状態でうつ伏せになりながらほぐしたい脚をカエル足のような形にします。太腿に対して縦向きのフォームローラーに乗せ、ゆっくりと転がします。
ふくらはぎをほぐす使い方
ふくらはぎの前、後ろ、横のほぐしたい部位を横向きのフォームローラーに乗せます。手は床につき、しっかりとバランスをとりながらゆっくりとフォームローラーを転がします。特にふくらはぎの前(前脛骨筋)は、スネの骨が当たりやすいので注意して行いましょう。
上半身の使い方
上半身をほぐす際は、背中や肩にフォームローラーを当て、ゆっくりと転がします。特に、パソコン作業などで疲れがちな肩周りの筋肉は、しっかりとほぐすことが重要です。
肩こり改善のための使い方
肩こり改善のためには、背中の上部と脇周りをほぐすことが重要です。
背中の上部は、頭の後ろで手を組んだ状態で背中を横向きのフォームローラーに乗せ、ゆっくり転がします。
脇周りは、ほぐしたい側の肩を下にして横向きで寝ます。この時に、腕を伸ばし脇付近をフォームローラーに乗せ、ゆっくりと転がします。
背中をほぐす使い方
フォームローラーに脊柱起立筋(背骨周りの筋肉)を乗せます。両足を床につき、両腕を頭の上側へ伸ばしたり、ぐるぐる回すことにより肩甲骨周りの筋肉がほぐれます。
お腹をほぐす使い方
横向きのフォームローラーにお腹を乗せます。両足は床につき、両腕を伸ばした状態で、しっかりとバランスをとりながらゆっくりフォームローラーを転がします。
お腹の横側は、肘を立てながら横向きで寝た状態で横向きのフォームローラーを乗せ、ゆっくりと転がします。お腹は、長時間やりすぎると気持ちが悪くなることがあるので、やりすぎないように気をつけましょう。
腰をほぐす使い方
フォームローラーに脊柱起立筋(背骨周りの筋肉)を乗せます。両足を床につき、フォームローラーをゆっくりと横に転がします。
首をほぐす使い方
横向きのフォームローラーに僧帽筋(首の部分)を乗せます。体調に合わせて、ゆっくり動かす方法と、自分の重みを使って動かさずに圧迫する方法があります。
フォームローラーの選び方
フォームローラーにもさまざまなタイプがあるので、自分の目的に合ったフォームローラーを選べるように、選び方について解説していきます。
硬めのタイプか柔らかめのタイプか
硬めのタイプは筋膜への刺激が柔らかめのタイプより強くなります。初心者の方は、指で押すと凹むくらいの柔らかめのタイプがおすすめです。
ロングタイプかショートタイプか
ロングタイプは、背中などを広範囲でほぐすことができますが、長いため旅行などに持っていく際は、持ち運びがしづらくなってしまいます。
凹凸の大きさや溝の深さ
凹凸が鋭いと筋膜への刺激が強くなりますが、痛みも感じやすくなってしまいます。初心者の方は、凹凸が滑らかで数が比較的少ないものがおすすめです。
耐荷重をチェック
自分の体重の2倍以上の商品であれば、変形しづらく耐久性も十分でしょう。
電動タイプは効率的に効果を得られる
電動フォームローラーは、スイッチを入れると高速で振動し、ほぐしたい部位に当てているだけで深層からほぐしてくれます。
ただ、マンションに住んでいる方は、高速で振動することにより下階にも振動が伝わり音も発生するので注意が必要です。使用する際は、マットを敷くなどして、振動・音対策をしましょう。
編集部おすすめのフォームローラー
片手部が厳選したおすすめのフォームローラーをご紹介します。
トリガーポイントは、バイオメカニクスの専門家であるキャシディー・フィリップが創設したブランドで、Twitterでも世界のトップアスリートが使用している画像・映像が確認できます。
トリガーポイントのグリッドフォームローラーは、空洞の中芯部は硬いABS樹脂構造で体重をしっかり支えてくれます。一方で表面のEVA素材は耐久性に優れつつも、圧をかけても痛くないちょうどいい柔らかさを維持しています。
重さは604gと軽量で、出張や旅行、遠征先にも気軽に持ち運ぶことができます。
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